虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
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2014年7月に読んだものメモ
  • 鏑木蓮『イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり 賢治の推理手帳I』(光文社文庫,2014年5月)
    副題のとおり宮澤賢治を探偵役とした短編集。実在した賢治の友人、藤原嘉藤治がワトソン役。ふたりの友人関係描写が、親密だけどベタ付かずいい感じ。史実を押さえつつ、ミステリとしては大掛かりな物理トリックも出てきたりして大胆。

  • ジョー・ウォルトン『図書室の魔法』〈上〉
    ジョー・ウォルトン『図書室の魔法』〈下〉(訳:茂木健/創元SF文庫,2014年4月/原書:Jo Walton "Among Others" 2011)
    アウェイな状況に投げ込まれいまひとつ周囲に溶け込めずにいる少女が、本を読むことで自分を保ち、喜びを感じ、世界を広げ、新たな人間関係を構築し、この世界に居場所を見出していく。彼女にはこの世界に重なり連なる別の世界への扉も見えているにもかかわらず。人生の一時期でもせっせとマニアックに本を読み続けた経験のある人なら、ものすごく共感できるのでは。日常描写の中に差し挟まれるファンタジー要素の、畏怖をもたらしつつも「こちら側と地続き」な感じが独特。作中に次々と登場する書名、ちゃんと巻末に邦訳版の出版社名まで入れたリストが付いていて親切。

  • 荒川静香『誰も語らなかった 知って感じるフィギュアスケート観戦術』(朝日新書,2013年12月)
    この世界についてはものすごく知識が乏しい私でもそこそこ楽しくついていけるレベルまで噛み砕いてくれてた。私の周囲の以前からフィギュア好きな人たちは、現行の採点方式にどちらかというと否定的な気持ちであることが多い印象なんだけど、本書ではわりと肯定的に評価ポイントを列挙。でもどんどん基準が変わるのって対応する側は大変でしょうね。スケート靴ってそんなに合わせるの大変なものなのか、とか氷のコンディションでそんなに変わるのか、とかも面白かった。そんななかでも常に一定以上のクオリティで演技するトップ選手の人たちすごい。ソチ五輪直前に出た本なので、出場候補の選手たちの長所や見所を書いてくださってるんだけど、終わったいま読むとちょっと感慨深かったりも。

  • 山口恵以子『あなたも眠れない』(文藝春秋,2014年6月)
    バブル期の銀座が舞台。大切なひとたちを一気に失う壮絶な経験を経て、どこか壊れた凄みを身にまとうようになった女性が、胡散臭い裏がありそうな殺人事件に巻き込まれ投げやりなほどの度胸で解明に乗り出していくのが痛快かつ悲痛。主人公の壊れた部分が奇妙に魅力的に描かれてもいるので、プロローグ場面に対応するエピローグに、ホッと気が緩むと同時に少しだけ哀愁が漂う。
Posted at 09:14 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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