虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
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2014年10月に読んだものメモ
  • おのりえん『虫のお知らせ』(絵:秋山あゆ子/理論社,2014年6月)
    4人の息子を育てる主婦「よりさん」と虫たちと秘密の友達である「小さいものたち」の関わりを描いた短編集シリーズ2冊目。都会から引っ越してきたよりさんだからこそ、虫なんて好きじゃない(と言い張っている)のに、地元の人たちがまったく気に留めてない虫たちをスルーできずにいるというのがなんか分かる。今回は子供たち視点のお話も挿入されるのがよかった。子供にも子供の社会があるし、それぞれ徐々に成長しているんだよね。虫への愛がこもった挿絵がやっぱりとてもよい。

  • 小野一光『家族喰い 尼崎連続変死事件の真相』(太田出版,2013年11月)
    事件が世間で話題になってた頃、意味が分からなくてただただ怖かったので、情報整理してくれてる本を読めば怖くなくなるかと思ったけど、むしろ主犯の影響力がどんどん飛び火していく過程やいまだに解明されてない部分があるという底知れなさで、ますますうなされそうに。ちょっとした隙にぐいぐい入り込まれるって、誰にでも起こり得るよね。共犯として逮捕された人々含めて、関係者にとってはいつのまにか悪夢の中で暮らしていたような感じだったろうなあ。そして、警察の民事不介入という考え方に対するジレンマが心に残った。こういう特殊事態でなければ、そのまま収まる場面も常日頃いっぱいあるのかもしれないけど、だからこそ、必死で助けを求めて得られなかった人たちの絶望はどれほどだったかと。報道が下火になってからも粘り強く取材を続けて本書をまとめ上げた著者の精神力には感心。

  • 仁科邦男『犬たちの明治維新 ポチの誕生』(草思社,2014年7月)
    「犬」を軸に語る近代史。丹念に探せば、犬に言及した史料もこれだけあるんだな。でもものすごく丹念な探索だな。特定の飼い主を持たない地域犬であった日本の犬たちがやがて西洋犬の到来を経て対個人的な人間の友となり、そして終章で言及されるのは毛皮を目的とした戦時中の「供出」とそれにより絶たれる血統……せつない。犬の名前の定番が「ポチ」になっていく過程とその由来についての考察がとても面白かった。



ところで実は今年の夏、突如としてお子さまたちのあいだで大流行中の『妖怪ウォッチ』アニメ版にハマりました。もとになってるゲームはしてません。最初はたまたま目にした猫の地縛霊妖怪「ジバニャン」の動きと声のかわいさにめろめろになって、ひたすらジバニャンを愛でる目的で見ていましたが、あれけっこう、40代以上の大人を狙ったようなネタが盛り込まれまくりじゃないですか(本来のターゲットである幼児の皆さんどころか、その親世代でももう分かんなかったりするのでは)。気がついたら毎週の楽しみに。それでコミック版も気になって買ってしまった。


  • 小西紀行『妖怪ウォッチ』第1巻(小学館,2013年7月)
  • 小西紀行『妖怪ウォッチ』第2巻(小学館,2014年1月)
  • 小西紀行『妖怪ウォッチ』第3巻(小学館,2014年3月)
  • 小西紀行『妖怪ウォッチ』第4巻(小学館,2014年7月)
  • 小西紀行『妖怪ウォッチ』第5巻(小学館,2014年11月)
    奥付を見ると、雑誌『コロコロコミック』での連載初回は2013年1月号(ってことは2012年末発売の号?)。ゲーム第1弾が出たのは2013年7月なので、半年以上、漫画が先行してる。これでまず小学生男子たちに世界観を浸透させておいたわけですな。第1巻のおまけの4コマ漫画で、ゲームの中に登場する不思議な腕時計「妖怪ウォッチ」が漫画内でのデザインと少し違ってしまっていて……というような内情ネタがありました。妖怪たちとのエピソードも独自のもの。渡された資料だけでまだ正式リリースされてない段階から、他人が作ったキャラと設定で描いていくのって、大変だったんじゃないかしら。後発のアニメ(最初の放送は2014年1月)より全体的にハチャメチャ度が高いです。描いてる人のもともとの作風かも。主人公のケータくんはアニメ版よりも単細胞だけどそのぶん、計算のない心やさしさが際立つ子。ウィスパーのはっちゃけぶりはより激しく、ジバニャンの言動もだいぶ下世話にえげつなく。アニメのように大人向けの目配せはなく、しょーーーもないんだけど、ときたま「ぷはっ」と笑ってしまうという、潔く真っ当に小学生男子がメインターゲットって感じのギャグ漫画です。

  • もりちかこ『妖怪ウォッチ わくわく☆にゃんだふるデイズ』(小学館,2014年7月)
  • もりちかこ『妖怪ウォッチ わくわく☆にゃんだふるデイズ Vol.2』(小学館,2014年10月)
    大判であまりページ数がないムック形式なので、我が家では「ジバニャンの薄い本」と呼ばれています。アニメはコロコロ版と同じくケータくんが主人公ですが、おおもとのゲームでは、プレーヤーが主人公を男の子にするか女の子にするか選択できるのだそうで、女の子を選んだときの主人公「フミちゃん」を主役にして少女漫画誌『ちゃお』で連載されているのが、この『わくわく☆にゃんだふるデイズ』。こちらもストーリーは独自に進行しているようです。妖怪たちとの何気ない(?)毎日を描いた、どたばたコメディ。コロコロ版と違って、活躍する妖怪のチョイスは面白さよりもかわいさカッコよさ重視かも。キュートでいたいけなコマさんとコマじろうなんて、なんとウィスパーやジバニャンと一緒にフミちゃんと同居しちゃってるし、アニメではまだ一度も出番のないオロチ(クールガイだ!)もすでに複数回登場。そしてジバニャンはとっても甘えんぼに――あ、いや、アニメ版のジバニャンだって、生前は女子高生の飼い猫だったわけだし、もしケータじゃなくフミちゃんと「ともだち契約」をしてたらゴロゴロニャーンってなるのかもしれないな……。正直、読んでてすんなり頭に入ってくるのはコロコロ版よりこっちです。私が少女漫画の文法のほうに馴染んでるってことなんだろうなあ。



男子小学生向けと女子小学生向けのコミック版『妖怪ウォッチ』、それぞれを読んでみて、アニメは主人公こそケータくんで固定ながら、うまいこと男の子も女の子も関係なく(そしてついでにパロディ小ネタ好きの大人も)楽しめるよう比較的ニュートラルに調整してあるんだなって思いました。

コロコロ版のケータくんが無邪気に能動的に「今日も妖怪を探しに行くぞー!」とわざわざ妖怪メダル蒐集のために街へ繰り出していってる一方で、ちゃお版のフミちゃんが日常生活のなかでたまたま出会って友達になった妖怪たちとお菓子作りやおうちの大掃除に勤しんだりしているのを見てると、小学生時代からこうやって男児が見る世界と女児が見る世界は乖離しているのか……みたいな感慨はあります。部外者である大人の感傷に過ぎないのかもしれないけど。ちなみにアニメ版のケータは、どっちかというと妖怪との出会いかた自体は、ちゃお版のフミちゃんに近い巻き込まれ方式がメイン。

それにしてもSランク妖怪の能力を駆使して大掃除を完璧に仕上げてくれる、ちゃお版のオロチさんうちにも来ないかしら。


*



今月はこれ以外に、テレビドラマの放映が始まったので原作どうだったっけと気になって森博嗣『冷たい密室と博士たち』を再読したり、映画版を観てしまったので原作どうだったっけと気になってカサンドラ・クレア『シャドウハンター 骨の街〈上・下〉』を再読したりしていました。自分の記憶力の駄目さを突きつけられました。
Posted at 12:04 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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