虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
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2014年12月に読んだものメモ
今年も見に来てくださった皆さん、ありがとうございました。2015年も細々更新だと思いますが、たまに思い出していただければと。

  • Michael Booth "The Almost Nearly Perfect People: Behind the Myth of the Scandinavian Utopia" [Kindle Edition] (Vintage Digital, 2014年2月/底本:Jonathan Cape, 2014年2月)
     『英国一家、日本を食べる』の著者による北欧社会考察。これまでの日本旅行記やインド旅行記のようなほのぼのを期待していると、びっくりする。今回ご家族の話はほとんどなくて(そもそも著者が北欧と接点を持ったこと自体は、結婚相手がデンマーク出身だったからなんですけど)、ただただ、しばらく北欧で暮らしてみて英国人として抱いた違和感を突き詰めて仮説を立てたり、各国の有識者にアポを取って意見を聞きに行くという内容。
     住民が世界一幸せを感じているという調査結果が出ているあの国は、ガイジンが実際に住んでみるとどうなのか。平等主義を謳う国における王室の存在とは。社会福祉が高く評価されるあの国は、一方で個人同士の助け合い精神が(英国人の目から見ると)恐ろしく希薄……などなど。北欧各国の人々が周囲のほかの国に抱いている印象や、それぞれの自国イメージがどれだけ違うか。移民居住区の孤立、アルコールによる暴力沙汰の日常化、悪意のない排他主義、意外と票数を伸ばす右派政党。
     北欧各国、それぞれけっこうお国柄は違うし、互いに複雑な気持ちを抱いていたりすることもあるんだな、というのが面白かった。あと、どんなに対外的には素敵イメージの国でも、なにかしらの問題はあるし、取材する側も取材される側も、自分が生まれ育ったところの常識から逃れるのは難しいよな、とも。本書では、取材する側である著者は少なくともそれを自覚して、自分の視線の偏りを前提としたうえで論を進めているので好感が持てた。


  • 大和彩『失職女子 私がリストラされてから、生活保護を受給するまで』(WAVE出版,2014年10月)
     労働意欲満々でそのための努力もしてきた真面目な女性が、不運の連続で収入を絶たれ、ドクターストップかかって再就職もできないまま追い詰められていくなか生活保護を受給しながら生活の立て直しをはかるという道にたどり着く。
     人生、一寸先は闇ですから、誰にとってもひとごとじゃない。これまで小耳に挟んできた話から、比較的若くて困窮した人の場合はいわゆる水際作戦で酷い言葉を投げかけられたあげく生活保護申請を撥ねられて餓死、なんてのがデフォルトくらいな印象を抱いていたので暗澹としていましたが、本書に登場する行政側の担当者の人たちは、皆さん親身で有能。そういう道もあるし申請を後ろめたく思ったり恐れたりしなくていいんだよ、制度を使って生き延びていいんだよってことを、取っつきやすい文章で伝えてくれるこういう本が出たのは、とても意義のあることに思える。とにかくまずは生き延びないとね。


  • 遠藤彩見『給食のおにいさん』(幻冬舎文庫,2013年10月)
     一流シェフの腕前がありながら不遇に見舞われ生活のために小学校の給食調理員になった青年が、給食特有の問題に直面して徐々に依怙地な姿勢を改めていく……のだけれど、実は主人公よりも、自身のトラウマから食育に燃える管理栄養士のほうがよほど曲者だったり。食べる側しか経験ない私は給食に対する学校職員の考えを一枚岩のように捉えがちだったけど、それぞれの立場から意見がぶつかることだって当然ありえない話じゃないんだよなっていまさら気づいた。ここまで紛糾する学校はそんなにないかもしれないけど。続編も読みたい。

  • Shanna Swendson "A Fairy Tale" [Kindle Edition] (NLA Digital LLC,2014年12月)
     シリーズ第1作。妖精にかどわかされた妹(新進舞台女優)を救出するためルイジアナの田舎町からニューヨークに駆けつけた姉(バレエ教師)。普通の失踪事件として捜査してくれてる妹友人(休職中の刑事)の目を誤魔化しつつ、事態を収拾できるのか。登場人物(と、犬)それぞれ素敵にキャラ立ちしてるけど、見た目に似合わぬ姉の貫禄がとりわけチャーミング。登場人物視点で当人のみが知っている情報に基づいて話が進み、背景状況が小出しでしか分からないもどかしさでどんどん読ませるのが巧み。恋愛要素はいまはまだほんのり。これ、同じ作者による「(株)魔法製作所」シリーズ(創元推理文庫)が気に入ったひとなら、ぜっっっったい、好きだと思う! 邦訳が出ますように! そしてブルドッグ健気でかわいいよブルドッグ。

  • 酒井順子『オリーブの罠』(講談社現代新書,2014年11月)
     雑誌『Olive』を、創刊時以降(書き手・読み手双方の立場から)ほぼ最終期まで見守っていた酒井さんによる総括。こうやって振り返ると思った以上にお洒落を含む生活全般に「男の子への迎合」要素を入れない、求道的でストイックな少女雑誌だったのだな。


  • 西原理恵子『毎日かあさん 11 息子国外逃亡編』(毎日新聞社,2014年9月)
     ちょっと前に目にしたネットでの別のかたの感想を先に読んでて、あれ、いまそんなことになってるの? と予備知識を持ったうえで手に取りましたが、ああ、なるほど、バカチン男子代表みたいに描かれてた息子くんが、突然すごくしっかりしてきた。そして小さい頃の娘ちゃんのあの利発さを覚えていると、たしかに切なくなる逆転現象。ただ個人的にはこの母娘関係をばっさり否定できずにいます。一緒に街を歩き、同じようなことを楽しみ、仲良く過ごしている感じが、少女時代の自分と亡母にダブって胸が痛いのだ。なんかふたりの関係を見てると、ものすごい懐かしさに襲われ、身体がぽわぽわして頭がくらくらした。そして娘ちゃんも趣味に邁進した結果選んだ好きな道には進めそうな感じじゃないの、そのために必要な行動があればアクションを起こせるパワーはあるのではないの、と信じたい。いまでは、西原さんが近所にいたら私ゼッタイ「あの女」呼ばわりされて嫌われるわー、私もきっと怯えて近寄れないわーって思っちゃうようなヒヨワな精神の大人になってる自分が言うのもおこがましいことだと思いつつ。

  • 小西紀行『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』(小学館,2014年12月)
     映画は観てないんですが、パンフレット(観てないのに買っちゃった)と予告編から推測するに、コミカライズ版は基本的なところは押さえつつ単行本1冊にすっきりまとまるよういくつか要素を省いて、本来の連載漫画版との整合性も取って独自作品に仕上げた感じ? ウィスパーやジバニャンが、アニメではぜったい見せないような表情をしてくれてやっぱり笑えるし、正統派少年漫画って感じの素直で熱くてやさしいケータくんのキャラにも和む。ともだちだいじ!

  • もりちかこ『妖怪ウォッチ〜わくわく☆にゃんだふるデイズ〜』第1巻(小学館,2014年12月)
     ちゃおコミックス版。前にオールカラーのムック形式で出てた2冊と少し収録作品が違う。なんと言ってもアニメではまだ背景にちらりとしか出てきたことないマオくんメイン回があることが大きいでしょう。すごくいい子だ。



今年は夏頃から『妖怪ウォッチ』のアニメにハマったのが自分でも予想外でした(ゲームはしてない)。でも独りで映画館に行って映画版を観る勇気はまだありません。
Posted at 10:59 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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