虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
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2015年1月に読んだものメモ
  • 万城目学『悟浄出立』(新潮社,2014年7月)
     今年の読了1冊目。中国の物語や歴史のなかで中心から少しずれたポジションにいた者にスポットライトを当てた短編5つ。表題作は、『西遊記』の沙悟浄の冷めた乖離的な視点で語られる、どこか凄みのある猪八戒が印象的。戦国時代に秦王暗殺を試みた荊軻と同音異字の名前を持つというだけで彼と刹那的な縁が生じた官吏が主人公の「法家孤憤」も、荊軻のバックグラウンドへの思いの馳せかたがとても面白かった。ほかに「趙雲西航」「虞姫寂静」「父司馬遷」を収録。

  • 酒井順子『ユーミンの罪』(講談社現代新書,2013年11月)
     松任谷(荒井)由実さんの1973年から1991年までのアルバム20作を取り上げ、そのときどきの世相に応じた女性のライフスタイルと関連付けていく。ユーミンはあまりちゃんと聴いてないんだけど、こうやって対応関係を丁寧に提示されると、時代の空気を切り取ってさらに少しだけ先を行くことができる人なんだということがよく分かる。こちらのほうが時流の移り変わりをより整理されたかたちで叙述している感じがするので、先月読んだ『オリーブの罠』より先に手に取るべきだったかも。少しずつ変容していくアルバムたちをファンがどう受け止めて自分の人生と重ね合わせ、その世界観のフォロワーとなっていったか、そのあいだに女性を取り巻く社会はどう変遷していたかを語るなかで酒井さんがたどり着いた、ユーミンの歌はなにかに「所属している女」のためのものという分析が正しいなら、当時の自意識こじらせた私の琴線に触れなかったのもうなずけるかも。

  • マシュー・アムスター=バートン『米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす』(訳:関根光宏/株式会社エクスナレッジ,2014年5月/原書:Matthew Amster-Burton "Pretty Good Number One: An American Family Eats Tokyo" CreateSpace Independent Publishing Platform, 2012)
     前に英国人で似たような題名の本が出てたよね……と、正直ちょっと「2匹目のドジョウ狙い」疑惑を抱いていましたが、あっちがしばしば一般の日本人には一生縁がないかもっていうようなものを取り上げていたのに対し、こっちは中野で1ヶ月間アパートを借りての庶民的な食生活なので、読んでて別の面白さが。チェーン店や地元の居酒屋、コンビニや特に有名でない普通のスーパーを、著者一家はとっても楽しんでいて、そういう食べ物や風景を見慣れているこっちまで、そうかそこが気に入ったのかって、にこにこしちゃう。あと、すごく個人的なことなんですが、著者が米国で住んでる街が、私が子供の頃に住んでたところだったので、たまに懐かしさを誘う固有名詞が出てきて微妙に気分が高揚した。日系スーパー宇和島屋とか(笑)。

  • 近藤史恵『私の命はあなたの命より軽い』(講談社,2014年11月)
     終始一貫して不穏な空気に包まれている。実家方面から自分だけ遠く離れて暮らして何年もになる私としては、教えられなければなにがあっても知らずに終わってしまうという懸念は身につまされる。その無知が誰かを深く傷付けることもあるのだと思うと恐ろしい。

  • Matthew Amster-Burton "Child Octopus: Edible Adventures in Hong Kong (Zip an Eat Pocket Reader #1)"(Mamster Books, 2014年5月)
     前述した『米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす』の父娘による香港1週間食べ歩きの記録。東京編に引き続き、もともと地元でアジアンフードを食べつけていたとはいえ、娘ちゃんの「異国の食べ物」に対する積極的な姿勢が素敵(お子さんってわりと食に関して保守的なことが多い印象があったので)。かと言って、大人がやりがちなように旅先だからと敢えてわざわざ気の進まないものに挑戦するといったこともなく、特に香港ローカルじゃないスイーツショップにも行くし、自然体でただ美味しいものを求めて行動する感じ。あと東京編のときは自分の知ってるものを著者たちがどう捉えるのかという興味が強かったけど、今回は純粋に食べ物描写が美味しそう! ってとこで楽しめた。

  • 遠藤彩見『給食のおにいさん 進級』(幻冬舎文庫,2014年4月)
     遠藤彩見『給食のおにいさん 進級』- シリーズ2冊目。教室内での力関係が給食の時間に顕在化する様子がまざまざと描かれ、肩に力が入ってしまった。子供たちへの真摯な思いと、シェフとして返り咲きたい気持ちのあいだで葛藤する佐々目くんだけでなく、ほかの職員たちにもいろんな事情が。


Posted at 07:08 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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