虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
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2015年4月〜5月に読んだものメモ
ここしばらく、あまり読んでなかったので、2ヶ月分まとめてしまいました。


  • 松谷みよ子『小説・捨てていく話』(筑摩書房,1992年11月)
     前に読んだ 『自伝 じょうちゃん』とも重なる部分がある、結婚生活とその破綻後のエピソードを綴った私小説。普通に考えると相当ひどい言動をとってそのまま死んでしまったこの(元)夫は、しかし一方では(元)妻をたしかに特別な位置に置いていて、妻も彼を最後まで本当には見放せずにいて、さらには人間的にはそれまずいだろってところを目の当たりにしているはずの周囲も彼に傾倒していて。
     そういう強烈な魅力を放ちながら「終わり」に引き寄せられていくひとっているんだなあ。そこに巻き込まれずに踏みとどまったのが松谷さんの強さと健全さであると思うのですが、それでも腹の底には溜まっていたであろうなにかの上澄みが、淡々ときれいに流れるような文章で静謐に綴られていてかえって凄みと胆力を感じさせ、じわじわと読み手の精神を削ってくる。


  • おのりえん『虫愛づる姫もどき』(絵:秋山あゆ子/理論社,2015年1月)
     春・夏と来てシリーズ3冊目の今回は秋から冬そしてもうすぐ春というところまでを一気に。虫嫌いだったはずのよりさんも、すっかり虫のいる生活が大前提に。「ひと」ならざる秘密の友人たちと密かに交流するのが、子供たちではなく、子供の頃を記憶しつつもきちんと親として大人として社会生活をしている主婦のよりさんだというのが、なんだか嬉しい連作短編集。ご近所の人たちとのやりとりもリアル。

  • 北大路公子『最後のおでん ああ無情の泥酔日記』(新潮文庫,2015年1月/親本:寿郎社,2006年8月・2012年5月)
     2000年代前半のウェブ日記をまとめたものの後編(前編あるの知らなかった、今度探す)。懐かしいノリと思うのと同時に、やはりこのテンポ、話題の蛇行のしかたは独特で、当時のウェブ日記にほかにこんなのなかった。そしてとてもアルコールが摂取したくなる。

  • 仁木英之『僕僕先生 零』(新潮文庫nex,2015年1月)
     僕僕先生がまだ「先生」じゃなかった頃、生まれたての神仙だった頃のお話。そういう役割の御方だったの! ってなんか意外。コンビを組んでる神様にいつか「美味しい」って言ってもらえますように。しかし無印シリーズから考えると、今後はかなりシビアな展開に?

  • 小川洋子+平松洋子『洋子さんの本棚』(集英社,2015年1月)
     いくつかの共通点を持つおふたりが、人生の各段階に寄せて選んだ本(および時々は映画)について語り合う。視点は違っても、波長や対象への読み込みの深度が合って、話がはずんでいる感じがとても素敵。自分が知らない本についての言及も面白く読んだけど、いますぐ手に取ろう! ってはならなくて、むしろいま読んだら洋子さんたちの読みに引きずられそうな気もして、いつか別ルートで出会うかもしれない、そのときここに書かれていたことを思い出すかもしれない本たち、という感じ。

  • 遠藤彩見『給食のおにいさん 卒業』(幻冬舎文庫,2014年8月)
     シリーズ3冊目。これでひとまず完結かな(このあとも知りたいけど主人公が給食のおにいさんでなくなってしまうので)。それぞれの人間関係も目指す夢も、そこにいる者たちで互いに影響を与えあって変化していくんだなあ、みたいな。栄養士の毛利さんが、最後まで強烈にインパクトありました。このシリーズはこのひとあってこそですね。
Posted at 23:27 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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