虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
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2016年11月〜12月に読んだものメモ
2017年もよろしくお願いします。


  • 阿部智里『玉依姫』(文藝春秋,2016年7月)
     シリーズ5作目は女子高生が主人公。3作目あたりから純粋な異世界ファンタジーではないという示唆はあったけど、いきなりここまで飛ぶか、と面食らった。広いと思っていた世界が実質「箱庭」のようなものだと確定して、趣向としては面白いけど、少し寂しい気も。一方で謎解きやどんでん返しは楽しめた。若宮殿下って普通にこっち側の人間と意思疎通できるこっち側準拠の常識と語彙があったんだなー(主人公と会話する彼の口から「心筋梗塞」という単語が出たのがなんかそこはかとなく衝撃だった)。前作までのストーリーから本作はいったん離脱して、番外的に世界設定そのものを提示している感じ。来年出る次の巻では八咫烏たちが住まう山内の世界に戻ってこれまでのあれこれに決着をつけて第1部完結ということみたいなので、とにかくそこまでは見届けたい。

  • 松田青子『ロマンティックあげない』(新潮社,2016年4月)
     2013年から2015年までデジタル雑誌『yomyom pocket』に連載されていたエッセイ集。小説作品のどこか浮世離れした印象とは違って、同じ世界に生きてる人だなあって感じ。普通にネットと生活が不可分な感じとかアンテナに引っかかる話題とかに、おこがましいかもだけど親近感があったり。

  • 岸本葉子『週末介護』(晶文社,2016年7月)
     90歳で亡くなったお父さんを5年にわたってきょうだい3人で介護していたときのお話。みんなが通える場所に新たにマンションを購入できて、ある程度は負担を分散できたり、認知症が出てからも比較的穏やかな性格のお父さんだったりという恵まれた条件であっても、やはり介護は大変なのだということがひしひしと伝わってきた。女性の肩に全部かかってくるような介護体験記をよく見かけるので、岸本さんのお兄さんがすごく能動的に関わっていることに感心。本当はわざわざ感心すべきところじゃないのかもしれないんだけど。あと、ちょっとしたミスが命にかかわるかもしれない緊張状態が続く日々のなかでフィギュアスケートをテレビやネットで観戦するのにハマったという話が突然出てきて、テレビ放映に対して注文をつけてらっしゃる内容が、いちいち「ですよね」って感じでした(笑)。介護をしていくなかで湧いてくるマイナスな感情も正直に吐露してらっしゃるのに、読んでてあまり嫌な印象がないのは、この著者の人徳と文章力が大きいなあって思いました。決して能天気なわけじゃないんだけど、根底にポジティブさがあるというか。

  • Shanna Swendson "Frogs and Kisses (Enchanted, Inc. Book 8)"(NLA Digital LLC,2016年12月)
     「(株)魔法製作所」シリーズ8冊目。ついに主役たちが結婚式の相談をするところまで進展しているというのに、またまたややこしいミッションが。ところで、今回は序文で、現実では1作目の出版から10年経ってるけど作中世界では最初のエピソードから1年ちょっとしか経ってませんということが改めて明言されており、なるほどスマホが普及してないよ。そのへんはきちんと考慮するんですね。ケイティが所属するMSIとは対照的な社風のライバル会社のようすが詳しく出てきて、しかも業務内容そのものの黒さを度外視すれば待遇的にはかなりのホワイト企業だったりする皮肉。黒幕の正体はまさかのあの人だけど、まあMSIのトップがあの人なら、ねえ?


  • 小西紀行『映画妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』(小学館,2016年12月)
     今年も映画館に行く勇気はないけどコミックで読んだよ。一度は夢をつぶされ闇に囚われた子にも、本人が気付かぬまま献身的に慕ってくれる妖怪が憑いていて、やがて自力で立ち直って前向きになっていくという王道ストーリー。ちびっこたちがこういうのからメッセージをストレートに受け止めているのならなんかホッとするかも。空を泳いでいくクジラのイメージや、お馴染みの妖怪たちのかけあいのテンポも楽しい。あと、今回の映画では映像がアニメと実写のあいだで切り替わるということだったので、そのへんを漫画版でどう処理するのかと思ったら……小西先生のご苦労が偲ばれる(涙)。小西先生が描くケータくんは、アニメ版よりもかなりまっすぐな少年漫画らしい心根があるけど、どちらにもそれぞれの可愛さがあるよね。

  • 柴本翔『妖怪ウォッチ コマさん〜たまきと流れ星のともだち〜』(小学館,2016年12月)
     青年誌連載の「妖怪ウォッチ」スピンオフ第2弾。大人向けレーベルだけど、今回コマさんと友達になるのは、威勢のいいちっちゃな女の子。彼女が置かれた状況が読者に、そして彼女本人にも徐々に理解されてくるにつれ、やるせなく激しい気持ちに揺り動かされる。前作でのせつなさは、主人公の個人的な事情を中心に回っていたけど、今回はさらに世界が広がっている。そんななかでも、あくまでもまっすぐ純粋に友達を思うコマさんののほほんとした健気さが救いになる。




ところで2016年は後半に入ってから、私にしては珍しくというか、大人になってから初めてじゃない? ってくらい、テレビ放映している続きもののフィクション作品をコンスタントに追っていたのだ。7月から、台湾・日本コラボの伝統人形劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』、9月から全54話の中国時代劇『琅琊榜(ろうやぼう)―麒麟の才子、風雲起こす―』、10月からフィギュアスケートのアニメ『ユーリ!!! on ICE』を観ていたよ。

しかしおかげで一時期、私の日常にはたしかにフィクションが必要だが、それは絶対的に活字でなくてもよいのでは、みたいな感じになってしまったのはちょっとびっくりした。うん、ちゃんと数えてないんですけどね、読了した本、例年より減ってると思います……。さて来年はどうなる!?
Posted at 17:57 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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