虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
<< August 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
ここはなに?
ウェブサイト「虫の居所」の一部です。
管理人ならのが、そのときどきに考えたことや興味を引かれたもの、読んだものなどについて、心のおもむくままに、だらだらと綴るところです。心がおもむかないときは、更新停止しています。
これまでの日々
コメントされた日々
トラックバックされた日々
MOBILE
qrcode
 
2017年4月に読んだものメモ
  • 川瀬七緒『潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官』(講談社,2016年10月)
     シリーズ5作目。被害者のバックグラウンドのやりきれなさ、犯人の空虚さが印象に残るが、最終的には赤堀先生の強靭なキャラと、岩楯刑事との信頼関係が気持ちを救ってくれる。ウジ描写がいつもより控えめな代わりに別の恐ろしい昆虫が大量出現。

  • 新井素子『そして、星へ行く船』(出版芸術社,2017年3月/親本:集英社文庫コバルト・シリーズ,1987年)
     シリーズ5作目にして最終巻の改訂版。書き下ろし短編は、まさかのバタカップ(猫)視点がメイン。がんばれバタカップ。いや、がんばらないでバタカップ。元気いっぱいでよきかなよきかな……なのか? というオチ。
     満を持しての種明かし。ティーンが読むにふさわしい前向きヒロイン。再読して、たぶんレーベル的に制約があったなかで、それでもSFマインドがしっかり盛り込まれていたんだなーと改めて感心。それと、あとがきで著者が、さらにこれから自分の代表作を書くと断言してくださっているの心強い。


  • 村田沙耶香『コンビニ人間』(文藝春秋,2016年7月)
     第155回(2016年上半期)芥川賞受賞作。周囲のみんなにはふんわりと理解されている暗黙の了解が、自分にだけ見えてなかったという経験をまったく一度たりとてしたことない人も少ないのではと思うのですが、それを極端に煮詰めて突き詰めたような主人公視点での語りを読んでいくと、彼女の生きづらさや天職と言えるコンビニ店員としての日々の安心感やそこから逸脱したところでの困惑も、そんな主人公に接する人たちが感じる恐ろしさや戸惑いや期待や絶望も、同時に分かりすぎて引き裂かれるような気持ちに。

  • 仁木英之『立川忍びより』(角川書店,2017年2月)
     いろんな要素がてんこ盛りでわちゃわちゃしていて決着ついてないネタもあり(続編があること前提?)、なかなか感想を定めづらい本だった。立川の、昔ながらの街並みが残っている一方で、いまどきのオタ系文化にも親和性があって、ごった煮っぽくなってるあの感じには合っているのかな、と思う。上の世代の思惑に翻弄されてきた若者たちが古いものを一概に捨てるでもなく自分の生き方を諦めるでもない突破口を見出そうとする方向に動く終盤はさわやか。朴訥で適応力高い主人公のキャラにも好感を抱いた。巨大蝦蟇の山王丸がとてもかわいい。

  • 江波光則・手代木正太郎『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 外伝』(ニトロプラス,2017年3月)
     公式外伝。本編では具体的なことが分からなかった、かつて殺無生および刑亥が凜雪鴉になにをされていたのかという前日譚。殺無生編は、彼の剣術に関する哲学のようなものが突っ込んで語られ、戦いの描写も詳細で燃える。しかしせっちゃん(殺無生)悪人とはいえかわいそう。ただ、この過去を踏まえて本編を思い返すと、一度は雪鴉に根こそぎ剥ぎ取られた矜持を、無生は雪鴉本人への直情的な復讐より優先するものを見つけたことで、最終的に少し取り戻してから死んだことになるのかも。
     刑亥編は……えーと、これ非公式の2次創作でコミケとかで売られていたらR-18マークが付いて購入時に身分証明書の提示を求められたりするやつなのでは(汗)。コミケ行ったことないけど。うっかりなんか規格外の人間たちと交流してしまった妖魔の刑亥さんが案外、純情であった。そしてその純情を踏みにじられたわけなので、やっぱりそりゃ本編みたいになりますわ。雪鴉ああああ! というわけで、毒をもって毒を制す(いや、制してない、むしろ煽ってる)的なお話2つでした。本当にひどい主人公だよ凜雪鴉。物語のブースト力という点では素晴らしいキャラなのだが。
Posted at 19:26 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
コメント
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://days.mushi.pepper.jp/trackback/1262104