虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
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2017年11月に読んだものメモ
  • 陳浩基『13・67』(訳:天野健太郎/文藝春秋,2017年9月/原書:陳浩基『13・67』皇冠文化出版,2014年6月)
     香港を舞台にした6つの連作。雨傘革命の直前の2013年から、時間をさかのぼって最終話の舞台は反英暴動が起こっていた1967年。市民を守ることを最優先するという自らの理念に従って時に超組織的な行動をとることも厭わない、優れた洞察力を持つひとりの警察官の、不穏な時勢のなかにあっても後進に志を継いでいく最後の事件から、不穏な時勢にもかかわらずそういう道を歩み始めるきっかけとなったのであろう最初の事件まで。
     ひとつひとつの物語が意外な展開を繰り出してくるミステリとして楽しめると同時に、通して読むと香港の世相の変遷が浮き上がる。最終話で「あ、そういうこと!?」っていう記述があって思わず第1話を読み返した。
     聞き覚えのある固有名詞が多く出てきて、映画で見ている香港警察のイメージで漠然と自然に脳内映像化してたけど、実際に映像化権を取ったのは(なかなか作品が完成しないことに定評がある)王家衛。気長に待とう。


  • 沼田真佑『影裏』(文藝春秋,2017年7月)
     第157回芥川賞受賞作。序盤の釣りに行くくだりの描写がすんなりと目に浮かぶようで美しい。性的志向や震災などの要素が出てくるけど、あくまでもさらりとした扱いで、特別なこととして作中でクローズアップしない姿勢に意思を感じる。主人公にとっては慣れない土地で得た大事な友人だった「日浅」への思い入れの空回り、目の前からいなくなってからそれまで見えていなかった部分が垣間見えてくることによる落胆もまた、主人公のなかでは正面から受け止めらることなく、ただ抑制されながら淡々と次の場所へと流れていく感じ。

  • 辛酸なめ子『おしゃ修行』(双葉社,2017年7月)
     なんかこう、すごく自分とライフスタイルの違う人の生活を垣間見た感。洋服屋の店員さんから繰り出される「ちょっとしたパーティーにも便利ですよ」的なセールストークは、こういう人がターゲットなのか。そしてこの人のスピリチュアル系な発言はどこまで本気なのか。


  • 寝猫『親が終活でしくじりまして』(三五館,2017年7月)
     著者のお母さまが亡くなってからの顛末。タイトルに偽りありなのでは。わりとすんなり揉めごとなく進んだほうだと思うし。むしろ亡くなったご本人の采配により、お葬式などにかかるお金がきっちり保険で下りるようになってて著者が「終活のカガミ!」と感謝する場面があるくらいだし。そして最終的には、やり残したことがあっても、あれやろうこれやろうと楽しみにわくわくしていた時間は幸せだったよね、残念な人生なんてことないよねっていう流れになっていくので、ほんと、ぜんぜんしくじってない。なんなんだこのタイトル。



 フィギュアスケートシーズンが盛り上がり始めたり、オンライン小説を延々あさってしまったり、読み始めた本がたしかに面白いのになんか少しずつしか読めなかったりしていたので、読了記録に入れられたものは少ないです。
Posted at 18:49 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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