虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
<< August 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
ここはなに?
ウェブサイト「虫の居所」の一部です。
管理人ならのが、そのときどきに考えたことや興味を引かれたもの、読んだものなどについて、心のおもむくままに、だらだらと綴るところです。心がおもむかないときは、更新停止しています。
これまでの日々
コメントされた日々
トラックバックされた日々
MOBILE
qrcode
 
2018年3月に読んだものメモ
ときおり改めておことわりしておかなきゃと思いますが、出版年月は奥付に記載されているのを書き写しています。実際の発売日とはずれていることがあります。今月ので言うと、『STOP劉備くん!! リターンズ!』は実際に書店に並んだのは2月20日だったはず。

今月は、買ったはいいけど読まずに積んでる漫画本をがんがん消化しようと思っていたのですが、最終的には漫画も活字メインの本もあまり読まない月として終了しました。いつのまにか漫画すら積むようになってしまった自分にがっくりだよ。


  • ソフィア・サマター『図書館島』(訳:市田泉/東京創元社,2017年11月/原書:Sofia Sumatar "A Stranger in Olondria" 2013年)
     書物と物語と、物語を文字で残していく行為への強い憧憬が心を刺してくるハイ・ファンタジー。作り込まれた言語体系、緻密な視覚的描写、次々と背景のなかに浮上してきてちらちらと片鱗を見せる別の物語の存在を前提とした語り口が、世界の奥行きを感じさせる。

  • いとうせいこう『小説禁止令に賛同する』(集英社,2018年2月)
     2036年、小説が禁止された敗戦国の獄中で、検閲を受けながら書かれた「随筆」(という体裁の小説)。この作中世界からは、私たちが生きている「いま、ここ」が「戦前」という位置づけになるため、かなりの毒と、薄ら寒さ、焦燥を感じざるをえない構造になっている。いろんな趣向が凝らされさまざまなレイヤーでの解釈が可能な多重的作品。小説という形式の否定を主張しながら綴られていく文中から、小説への思い入れや可能性への模索が伝わってくる。


  • 白井恵理子『STOP劉備くん!! リターンズ!』第1巻(潮出版社,2018年3月)
     約7年ぶりのシリーズ新刊。出版社を変えて(あ、昔のとこに戻ったんだっけ?)ウェブ連載が始まってからだいぶ経っているのですが、そのときどきの時事ネタをちょこちょこ絡めていく芸風なので、話題になってた事柄の記憶がおぼろげになっててオチの意味理解がちょっと遅れたギャグもあったり。なんでここまで本にまとめず寝かせちゃったんだろ(笑)。しかしそれはそれで、そういえばそんなのあったなあ、と懐かしくもあったりはしました。懐かしいと言えばもちろん、もうとにかく久々に読んで記憶どおりのブレない白井三国志の彼らで嬉しかった。人間離れしたお馬鹿さんなせいで決して死なない(死んでも生きてる)馬超、イメージトレーニングが裏目に出て泣きつつも無双な姜維、ついにドローンや3Dプリンターまで使いこなしはじめた雑兵A、みんなみんな可愛い。〔初出『Webコミックトム』2014年9月〜2015年6月〕

  • 竹田昼『ヒャッケンマワリ』(白泉社,2017年9月)
     内田百里遼椶鮹寧に読み込み、さらにはその生涯や周囲の人たちとの交流について思いを馳せつつテーマ別に語ってくれるコミックエッセイ。端正でどこかユーモラスな絵柄が内容にすごく合ってる。律儀にさまざまな資料に当たっていることが明白な一方、百里随筆中で「猫の死骸」のようだと描写した鞄が言葉どおりネコ型に描かれていたりと、ときにマンガ的な表現も盛り込まれていて楽しい。絵と文章からの情報量がとても多くて、少しずつ味わいながらゆっくりページをめくっていると、百寮萓犬虜酩覆魄柄阿茲蠅舛磴鵑汎匹鵑任澆燭なってきた。〔初出『楽園』第1号(2009年10月)〜24号(2017年6月)〕

  • 井上純一『中国工場の琴音ちゃん』第2巻(講談社,2018年2月)
     連載はチェックしてなかったので、最初のほうで東莞が注目を浴びてた時期だと分かるネタが出てきて、ああ、これが今頃やっと単行本に入るってことは、ずいぶんまとまるのに時間がかかったんだな、と。この巻では、社長の中さんのモデルになった実在のかたのコメントが各ページに入っており、漫画キャラとしてはとっても可愛い琴音ちゃんのドジっ子ぶりに本気で困っておられたようすも伝わってきたりして、読後感が分裂した感じになって正直なところちょっと戸惑いました。フィギュア製造は知らない世界なんだけど、塗料の配合の話とか、版権元とのやりとりの話とか面白かったです。中国の情勢がどんどん変わっていって、現地で工場を経営していく側としての対応なども変えていかざるをえない激動の時期が反映されている巻。身もフタもないようなオチには、現場のリアリティを感じる。

  • いなだ詩穂『悪夢の棲む家 ゴーストハント』第1巻(原作:小野不由美/講談社,2013年6月)
  • いなだ詩穂『悪夢の棲む家 ゴーストハント』第2巻(原作:小野不由美/講談社,2014年4月)
  • いなだ詩穂『悪夢の棲む家 ゴーストハント』第3巻(原作:小野不由美/講談社,2016年10月)
     前の「悪霊」シリーズのコミカライズとしての『ゴーストハント』はとても好きで全巻読んでいたのに、続編のこっちも漫画化されてたってずっと知らなかったのです。相変わらず情報量の多い原作を、ちゃんと分かりやすくそして恐く描いてて素敵。広田さんこんな感じかー。レギュラーキャラたちにも、久々に会えた! という嬉しさがあった。3巻目のカバーイラストの、ナルとジーンが並んでるの、なんかしみじみします。もう原作の続きが書かれることはないんだろうけど、当初はどう決着をつけるおつもりだったんだろうなあ。ジーンはあのまま放置でよいはずないから、続きの構想はあっただろうとは思うのですが。
Posted at 15:30 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
コメント
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://days.mushi.pepper.jp/trackback/1262115