虫のいい日々

あぶはち取らずと言われても、極楽とんぼで過ごしたい。
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2019年2月に読んだものメモ
  • フランシス・ハーディング『嘘の木』(訳:児玉敦子/東京創元社,2017年10月/原書:Frances Hardinge "The Lie Tree" 2015, Macmillan Childeren's Books)
     ヴィクトリア朝時代。14歳の少女が、敬愛していた父親の死の謎を遺された不思議な木の力を使い探ろうとする。聡明で向学心があっても女の子だという理由でその素質を抑圧される時代に、知略を尽くした「嘘」によって暗躍し目的に近づいていく主人公に、はらはらしつつも肩入れしてしまう。主人公の視野の広がりに応じて、周囲の大人の女性たちにも、よくも悪くもそれぞれのしたたかさがあることが見えてくるのがよかった。「木」の存在があるからジャンル的にはファンタジーなんだろうけど、読後感的にはミステリ好きの人にもおすすめしたい。

  • 乾石智子『青炎の剣士 紐結びの魔道師掘戞陛豕創元社,2019年2月)
     同時進行していた厄介事が片付いていく完結編。魔道師だけど腕っぷしも強い主人公エンスが、本当に頼りがいと人間味のある性根の明るい人なので、邪悪な誘惑や陰惨な思念に絡め取られることはないと信じられるの心強い。この境地に達するまでに、これまでに語られた以上にいろいろしんどい経験もしてそうですよね、この人。ユース少年の健やかな成長もよかったし、〈思索の蜥蜴〉ダンダンが可愛さを保ったまんまで進化(?)していくのもわくわくした。人知を超えた現象が発動するときの描写の迫力と美しさはこの著者ならでは。

  • 櫻木みわ『うつくしい繭』(講談社,2018年12月)
     それぞれ東ティモール、ラオス、南インド、九州の南西諸島を舞台とした、微妙に接点のあるお話が4つ。現地の生々しい空気が感じられるリアリティと、そこに重なる浮遊感のある緻密で幻想的な描写、自他の記憶への希求に引き込まれる。各短編のタイトルも美しい。

  • Cixin Liu "The Weight of Memories" (訳:Ken Liu/Tor Books, 2016年8月/原文:刘慈欣《人生》〔作品集《2018》所収/江苏凤凰文艺出版社,2014年11月〕)
     私はKindle版を買いましたが、ウェブマガジン(という括りでいいのかな?)Tor.comに掲載されたバージョンもまだ読めます。母と子の対話で始まり、違和感が出てきたところで状況が明かされ、シニカルな結末へ。SF要素よりも、地方の貧しい農村で育った母親の回顧パートが、こういうのリアルにあった(ある?)んだろうなと思わせてきつい。


  • 張六郎『千年狐 干宝「捜神記」より』第1巻(KADOKAWA,2018年11月)
     読了:張六郎『千年狐 干宝「捜神記」より』第1巻 - 最初のエピソードだけウェブで読んだことあって、単行本にまとまっていることを最近知った。「捜神記」(4世紀に東晋で書かれた小説)の内容を知らないので、今後の展開も分からぬまま、狐さんかわいい、かわいそう、面白い、と無心に楽しんでいます。
Posted at 15:41 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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