2020年1月に読んだものメモ

年明けから早くも1ヶ月が経ちましたが、改めまして2020年もよろしくお願い申し上げます。

昨年末に抱負として書いたとおり、数日前にこのブログのパソコン版のデザインを変えました。プロバイダからカスタマイズ用に提供されているテンプレートの構成をほぼそのまま流用しているので、前よりは読みやすくなったのではないかと思います。思うんだけどな。どうですか……。

とりあえず、かねてからの懸念事項であった、右側のサイドバーに月別アーカイブのリストがずらっと並んでいたのを、年単位で折りたたむ方式にできたのでほっとしています。10年以上×12ヶ月分のリストはさすがに長すぎた。

まあ、たぶん最近は、スマホから見ている人のほうが多いだろうから、あんまり関係ない話かもしれませんね。スマホ版のほうのデザインは、完全にノータッチでデフォルトのデザインのままにしているので(というか、いじり方が分からない)。


  • チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『なにかが首のまわりに』(訳:くぼたのぞみ/河出文庫,2019年7月/原書:Chimamanda Ngozi Adichie "The Thing Around Your Neck" 2009年)
     ナイジェリア出身でアメリカにも拠点を持つ女性作家による12の短編を収録。ナイジェリアという国や、そこから米国への移民が直面する問題を、私は現実にははまったく知らないわけですが、社会的な固定観念がのしかかってくるときの閉塞感や抑圧感には馴染んだ手触りもあり、息をひそめ目を凝らすようにして読んでしまった。そういった状況下で、誰かとともにあっても分断されている感じ、伸ばした手が届かない感じ、納得のいかない感じ……そして時にはそれと裏腹に、なにかがつながりあったような感覚が得られる一瞬。そういったものが、デリケートな筆致で描写されていて、一文一文に引き込まれる。分かりやすくすっきりとした結論が提示されるわけではないが、読み手が放り出されているわけでもない。ともすれば存在しないことにされそうな心の動きに、たしかな光を細くピンポイントに当てられているという充足感がある。
     民族も宗教も社会階層も異なるふたりの若い女性が、街なかでの暴動から逃げてともに廃屋に身を隠し、一晩限りの交流を持つ「ひそかな経験」がとても好き。本当は好きという言葉ともちょっと違うような、ずっしりとした重たい気持ちもあるんだけど。
     ちなみに、表題作「なにかが首のまわりに」は、出版社のサイトで全文公開されています。


  • 東山彰良『小さな場所』(文芸春秋,2019年11月)
     連作短編集。刺青店が乱立したことに由来して紋身街と呼ばれる台北の一角。そこの食堂の息子、小学生の小武(シャオウ)が、周囲の大人たちとのやりとりから、いろんなことを考え成長していった日々を、あとから振り返るかたちで語る。到底、立派とは言い難いところが多々ある大人たちだけど、小武のことは彼らなりに慈しんでいることが言動の端々からうかがえて微笑ましい。ただ、子供である小武にとって猥雑な紋身街は生まれ育った大事な場所だけれども、その外にも世界があるんだという、大人たちにとっては自明の事実を、彼はまだ物語の最初ではあまり分かっていない。そこから徐々に、いずれ自分の未来を選び取っていくのであろう兆しが見えてくるにつれ、なんだか胸が締めつけられる。

  • 服部まゆみ『最後の楽園 服部まゆみ全短篇集』(河出書房新社,2019年11月)
     2007年に亡くなった著者が遺した17の短編を収録。そのうち4編が以前『時のかたち』(1992年,東京創元社)としてまとめられていた以外は、すべてこれまで単行本未収録だったものかな? 耽美的な描写に気を取られているうちに謎の解明が始まってしまっているミステリ作品群のほか、幻想的なホラーや怪奇小説、金田一耕助のパスティーシュもあって、なかなかバラエティに富んでいるけど、ドラマティックで情念的なストーリー、目の前に浮かぶような美しい情景描写などが読み終えてからもあとを引く作風は一貫している。
     銅版画家でもあった著者本人の作品が装画として使用されていて、とても素敵。


  • Cixin Liu "The Wandering Earth: Classic Science Fiction Collection by Liu Cixin"(訳:Holger Nahm/編:Verbena C. W./Beijing Guomi Digital Technology Co. Ltd., 2013年/Beijing Qingse Media Co., Ltd.,2013年)
     劉慈欣(刘慈欣)SF短篇集。中国では2019年の春節映画になった(まあストーリーめちゃめちゃ改変されてましたけど!)表題作をはじめとして、1998年から2009年までのあいだに書かれた11作を収録。題材はさまざまで、いろんなタイプの「発想の転換」が提示される。また複数の作品で、未知のものを知りたい、認識できる世界を広げたいという欲望がストレートに肯定されていたなというのが印象に残った。各作品についてのメモはこちらに。


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